年金制度の3階部分が「確定拠出年金」や「確定給付企業年金」
会社員は、国民年金(基礎年金、1階部分)と厚生年金(2階部分)に加入しますが(詳しくはこちら)、これらに上乗せできる年金制度(3階部分)として、「確定拠出年金」や「確定給付企業年金」があります。
3階部分にあたる2つの年金制度の最大の違いは、確定拠出年金は将来受け取れる年金額が加入者一人ひとりの運用成績に応じて変わるのに対して、確定給付企業年金は企業が年金額(給付額)を保証する点です。
“年金額が保証されているほうがいい!”
といった声が聞こえてきそうですが、将来受け取る公的年金の目減りがさけられないなか、最近注目されている制度が確定拠出年金。
現在は加入できない専業主婦や公務員なども含めて、誰でもこの制度に加入できるように見直す案が厚生労働省から出されたりと、確定拠出年金の制度に関する議論がとても活発です。
実は、この2つの年金制度の違いは将来の年金額の保証があるかないかだけではありません。
それぞれが他にどんな特徴を持つ制度なのかを下の表で比較してみましょう。
*2014年3月末
年金制度は今後、変更される場合があります。
確定拠出年金(企業型)は、加入者数が増加しています
このようにそれぞれに特徴があり、どちらが優れた制度であるかは一概に言えませんが、実際には確定拠出年金(企業型)を導入する企業が2014年3月末時点で初めて5割を超えるなど、加入者数が増加しています**。社員の企業年金をすべてこの制度に変更したり、新入社員の年金制度としたり、あるいはこの制度の割合を増やすなど企業によって導入の方法はさまざまです。
近い将来、この制度が老後生活費の準備をするうえで、とても大切なものとなるのは確かなようです。
**出所:日本経済新聞社と格付投資情報センター(R&I)による企業年金実態調査
「確定拠出年金」が利用しやすくなる?
国は運用成績によって将来受け取る年金額が変わる「確定拠出年金」に専業主婦や公務員なども含めて、誰でも加入ができたり、すでに加入している会社員が転職する際に年金資産を転職先の制度へ持ち運びやすくするなど働き方の変化にも対応できるように、制度全体の見直しをはじめています。
特に結婚や子育てなどで変化する女性のライフスタイルに合わせることを意識したものになるようです。将来の「自分年金」作りを始めたい多くの女性にとって、注目しておきたいニュースですね。
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