どの年金制度を利用できるかは職業などによって異なる
日本の年金制度は、2階建てや3階建てと呼ばれる仕組みになっています。そして、職業等によって、どの年金制度を利用できるかが違う点も特徴です。
どの制度に加入しているのかがよくわからない?
では、下の図で確認してみましょう。
年金制度全体を理解すれば、老後の生活費(老後資金)の準備にあたって、より良い選択ができるかもしれません。
年金制度は今後、変更される場合があります。
出所:企業年金連合会「新しい企業年金に関する基礎資料 平成25年12月」に基づき、アライアンス・バーンスタイン株式会社が作成
1階部分が国民年金(基礎年金)
緑色の1階部分は国民年金(基礎年金)です。これは、いわば年金制度の土台。日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入することになっています。
2階部分が厚生年金
会社員の場合は厚生年金に加入します。これが2階部分。1階部分の国民年金(基礎年金)や2階部分の厚生年金等は国が管理・運営しています。
3階部分が…
3階部分が企業年金と呼ばれる企業独自の年金制度です。金融商品の運用結果しだいで受け取る金額が変わる確定拠出年金はこの3階部分にあたり、受け取る金額が決まっている確定給付企業年金と厚生年金基金も、同様に3階部分に含まれます。
そして、年金受給時には、各個人が加入した1階~3階部分を合計した額を受け取ることになります。
なお、1階部分の国民年金(基礎年金)は、 “老齢基礎年金”として 65歳*から受け取れるようになります。その額は満額の場合、年間で約77.3万円**(月額で約6.4万円)となっています。
※自営業者など(第1号被保険者)が、会社員の年金制度と共通するのは1階部分の国民年金(基礎年金)です。 2階部分にあたる「確定拠出年金」や「国民年金基金」に加入するかは各自の判断に任されています。
*女性の場合は1966年4月2日以降生まれ、男性の場合は1961年4月2日以降生まれの人が対象。
**出所:日本年金機構、平成26年4月分からの支給額
若い世代の女性が自身の将来に不安を感じている調査結果も!?
日本の年金制度への理解の度合いともリンクしそうな調査結果***があります。
この調査によると「ライフプラン(=将来どうしたいかといった生涯の生活設計)への興味・関心が高いか」という質問に「高い」と回答した人のうち、最も高い比率だったのは20代の女性で、実に65%が「高い」と回答。
特に若い世代の女性が自身の将来に不安を感じている様子が伺えます。男性と比べて長寿であることによる生活資金の枯渇への不安や平均生涯賃金が低い水準であることなどが影響している可能性があります。
わたしたちの年金制度は、少し複雑なため、考えたくない人もいるかもしれません。でも、誰にでも訪れる老後の生活を考える第一歩として、まずあなたが加入している年金制度を確認してみましょう。そうすることで、次に取るべき選択肢が見えてきますよ。
***「確定拠出年金(DC)加入者向けのサーベイ」(アライアンス・バーンスタイン株式会社およびNPO法人確定拠出年金総合研究所による共同実施、 2013年10月)
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