会社から“年金制度を変える”と言われたけど、どういうこと?
会社から“年金制度を変える”と言われたら、企業型の確定拠出年金制度を導入することだと思ってもいいでしょう。
というのも、2010年3月末の約1万3千社から2015年3月末には約2万社となり、年々増えているからです。そして、制度への加入者は500万人を超えました*。
「自分で運用して、年金を作りなさい」と言われたけど、どう運用すればいい?
多くの人が加入する確定拠出年金制度ですが、会社が制度を導入する際の説明会に参加したものの、そもそも運用商品を選ぶ基準がわからない人が多いかもしれません。
確定拠出年金制度では、金融商品を「元本確保型」や「一般の運用商品」などの分類から選ぶことができます。
「元本確保型」は、文字どおり元本が確保されている商品のことで、定期預金や保険(生命保険や損害保険)などが選択肢です。
一方、「一般の運用商品」は株式や債券などを投資対象とするさまざまなタイプの投資信託が選択肢です。
下の図は、「元本確保型」の金融商品と「一般の運用商品」(投資信託)が投資対象とすることが多い株式、債券のリスクとリターンのイメージ図です。
上の図はリスクとリターンの関係を簡略化して説明したイメージ図です。実際には上記のようにならない場合もあります。
長期の視点で運用できることが良い点
積み立てたお金は、原則60歳まで引出しができません。
つまり、長期の視点で運用できることがこの制度の良い点です。「マスターからのひとこと」で触れていますが、将来のインフレも考慮しながら、特に若いうちは積極的に運用する金融商品(図の右上)、年代が上がるにつれて保守的な金融商品(図の左下)を選ぶようにしましょう。
*2015年3月末
出所:厚生労働省、総務省
将来の“インフレ”も考慮して!
特に若いうちは積極的に運用する金融商品を選ぶようにしましょう
インフレとは、“商品やサービスの価格が上昇すること”です。同じ金額で買える量は、インフレ前よりもインフレが起きた後のほうが減ることになります。
例えば、スーパーやコンビニの陳列棚でよく見るチーズやチョコレートの値段は、2003年との比較で、2010年に20-30%値上がりしました。2003年に100円で買えた量が100gとすると、2010年に同じ100円で買える量は70-80g。同じ100gを買うには120-130円を払わないといけません。これがお金の価値が目減りする実際の例です。
このようなインフレによる資産価値の目減りを防ぐために、金融商品を選ぶ際には、期待できる運用成績(例えば利率0.1%など)が、実際のインフレ率よりも高いものを選びましょう。
若い世代の人たちにとっては、インフレはあまり実感が涌かないことも事実ですが、将来のインフレも考慮しながら、長期の視点で「自分年金」作りを続けていくことが大切です。
インフレについて、詳しくはこちら
いつの間にか物価は上がっている – チーズが0.8個しか買えなくなった?
- 当コラムは読者の皆様への情報提供を目的としてアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成しています。
- 当コラムは信用できると判断される情報をもとに作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
- 当コラムに掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。
- 当コラムの内容は予告なしに変更することがあります。