「個人型」って、どんな仕組み?
「個人型」の確定拠出年金とは、自営業(フリーランス)の人や企業年金制度がない会社に勤める人が加入できるタイプの年金制度です。
「個人型」の名前のとおり、加入するには、個人で窓口となる金融機関等(運営管理機関*と呼ばれます)を選び、口座を開設**します。口座開設が完了したら、各社が用意している運用商品の中から、あなた自身で商品を選択して、スタートです。
毎月の掛金は、自営業(フリーランス)の人が、最低5,000円~上限68,000円***まで。企業年金制度がない会社に勤める人は、最低5,000円~上限23,000円までで、いずれも1000円単位で掛金額を指定できます。
*都市銀行や地方銀行、信用金庫、証券会社、信託銀行、生命保険会社、損害保険会社など
**口座を維持するには、口座管理料が必要となります。2015年4月現在の平均手数料は年間6,271円です(出所:モーニングスター調査)。会社によって口座管理料が異なるため、口座を開設する前に確認しておきましょう。
***国民年金基金の掛金と合算して68,000円までになります。
その魅力は“節税”にアリ
実は、この制度の最大の魅力は、所得税と住民税を節税できること。
個人で負担する掛金の全額を、税率を計算する際の基礎となる収入(専門用語では“課税所得”といいます)から差し引くことができ、「掛金の年間合計額×税率」の分だけ税金を少なくすることができます。
例えば、課税所得が400万円の人が、毎月2万円の掛金で加入した場合、1年間で合計7万2千円を節税できることになります†。1年ごとにかかる口座管理料を差し引いても、十分におトク。
一方で、NISAや特定口座で投資信託の積立(投信積立)を利用しても、この仕組みがないことを覚えておきましょう。
このように税優遇が大きい「個人型」の確定拠出年金ですが、その代わりに60歳まで原則引き出しができない制約もあります。「個人型」の確定拠出年金を利用できる人は、将来の資金計画とうまくバランスを取りながら、賢く節税することも考えていきましょう。
†所得税率20%/住民税率10%。計算式→(2万円×12か月)×30%=7万2千円。税率は2015年4月1日現在。自営業(フリーランス)の人は確定申告によって、会社に勤める人は会社での年末調整が必要です。税制は今後変更される場合があります。
わたしはそもそも加入できる?「企業型」「個人型」のどっちに加入できる?
Yes/Noチャートで簡単にわかる!
知っとく!確定拠出年金(4)-2タイプのどちらを選べるの?
個人型の確定拠出年金に誰でも入れるようになる?
先日、2017年のスタートを目指して、個人型の確定拠出年金を誰でも入れるようにする制度改正が閣議決定されました。正式に決定すれば、勤務先に確定拠出年金以外の年金制度がある会社員や公務員や専業主婦の合計で約2700万人††が新たに加入できるようになります。
「個人型」の確定拠出年金への加入を検討しようかな、という人は、窓口となる金融機関等(運営管理機関)の一覧が厚生労働省サイトに掲載されていますので、チェックしてみましょう。
††日本経済新聞(2015年4月4日付)
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