30代でも5割以上が「元本確保型」の預貯金・保険で積立てしている!?
20代や30代の若い世代の5割以上が、確定拠出年金で「元本確保型」の預貯金や保険を選んでいることから、“年齢にあわせた運用”ができていない実態が見えてきました。こういった商品を積極的に選択したというよりは、聞きなれた身近な商品名から選んだ結果なのかもしれません。
下の図は、確定拠出年金で、どのような運用商品を選んでいるかを年代別にまとめたものです。
出所:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料2002年3月末~2014年3月末」(年代別の運用商品選択状況、2014年3月31日)
“年齢にあわせた運用”ってどういうこと?‐年齢にあわせる〇〇と同じ
スキンケアやメイク、ファッションなどは年齢にあわせて適切な商品やスタイルを選ぶのが基本中のキホン。
それと同じように、将来に備える「自分年金」作り(資産形成)も、年齢にあわせて適切な商品を選ぶことがキホンです。
若い世代ほど積極的にお金を増やすための商品を選ぼう
20代や30代の人は、しっかりとお金にも働いてもらう、つまり主に株式の比率が高い商品(主に株式に投資するタイプの投資信託など)を選び、積極的にお金を増やすことが“年齢にあわせた運用”といえます。
というのも、定年退職(60歳あるいは65歳)まで働く場合、退職するまでは30年~40年あります。この期間はお給料(収入)を受け取るため、ある時期に積み立てている投資信託などの資産価値が目減りしても、その後の回復を待つ時間が十分にあるからです。
若い世代ほどお金に働いてもらおう!
低金利のもとでは、元本確保型の商品で積立てを続けても、資産を大きく増やすことはできません。思っている以上に長生きし、公的年金以外の老後資金を使い果たしてしまうリスク(長生きリスク)や物価上昇(インフレ)によってお金の価値が目減りしてしまうインフレリスクに備えることが難しくなります。
若い世代ほど、積極的な運用商品である主に株式型投資信託(薄いブルー)を中心に選ぶことが大切です。
そして、年代があがるごとに主に債券型投資信託(濃いブルー)の比率を増やしていきます。
また、こういった資産の管理が煩雑と感じる人は、バランス型投資信託(グレー)のうち、年齢にあわせて資産配分を自動調整するターゲット・イヤー型投資信託を選ぶ方法もあります。確定拠出年金を利用した資産形成が広く普及しているアメリカでは、積立額に占めるターゲット・イヤー型投資信託の割合が高く、「自分年金」作りの主流*となっています。
確定拠出年金制度は、毎月のお給料から天引きで積み立てたお金を、原則60歳から引き出す仕組みで、長期の資産形成のために作られました。これを最大限に活用して、「自分年金」作りを続けていきたいですね。
*出所:セルリ・アソシエイツ「Retirement Markets 2014」 米国DCの掛金からの資金流入に占めるターゲット・イヤー型投資信託の割合は、2016年は63%と予想されています。
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女性の寿命は延びている!?
延び続けている女性の平均寿命は、30年前と比べて6年以上も長くなり、2015年は約86.83歳。3年連続で世界で最も長寿となりました**。
65歳で退職する場合は、公的年金を受け取りながらの暮らしが約22年続くことになります。
わたしたちの親の世代と異なり、これまであまり意識されることがなかった長生きへの備えも必要な時代になったと言えそうです。
わたしたち若い世代は、“3つの変化”を知っておく必要がある。こちらの記事もチェック!
昔とは違う!3つの変化‐低金利、年金の支給開始は65歳、長寿命
**厚生労働省 平成26年簡易生命表
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