お金が「底をついてしまう」のを防ぐには?
若い時からリスクをとって投資をする意味は何でしょうか。
収入があるうちは、年齢とともに金融資本(=預貯金や投資信託、株式、債券など)が積み上がり、それを定年退職後に取り崩していくことになります。
下の図は「預貯金」のみで金融資本を積み上げたイメージ図です。「底をついてしまう」とありますが、若い時からリスクをとり、投資をする意味とは、その可能性を低くするためです。
親の世代とは大きく違う3つの変化とは?
しかし、私たちの親の世代(=多くは年金受給世代)を見る限り、そうした問題にあまり直面していないように思えます。親の世代と私たちの世代とで何が変わったのでしょうか。
金利が低くなった
まず、金利が大きく低下しました。1990年代前半までは金利が数%という時代がありましたので、預貯金だけでもそれなりに増えましたが、今はほとんど増えません。つまり、積み上がる傾斜が低くなってきているわけです。
年金の支給開始年齢が65歳になった
公的年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引上げられた*ことで、支給開始前の生活費を何か他の手段で手当てすることが必要になりました。退職後の金融資本を支給開始前の生活費に充てる場合には、金融資本が減っていくスピードが速くなります。つまり、取り崩しの角度がより急になるということです。
平均寿命が長くなった
一方で、みなさんご存知の通り、平均寿命は伸びつづけています。例えば30年前と比べると、女性の寿命は約7年伸びました**。
この結果、生きている間に金融資本が底をついてしまうリスク(=「長生きリスク」)が高まってきたのです。長生きは大変素晴らしいのですが、実は以前は意識する必要がなかった長生きリスクに対して備える時代になったと言えそうです。
*女性の場合は1966年4月2日以降生まれ、男性の場合は1961年4月2日以降生まれの人は65歳が年金支給開始年齢です。
**厚生労働省 平成24年簡易生命表
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