「自分年金」作りでもおさえておきたい“人的資本(=将来にわたって稼ぐお金)”
前回「自分自身こそが資本!」で触れましたが、私たちには既に蓄えていて目に見える資本以外に、私たち自身、つまり現在25歳前後であれば、今後40年ぐらいにわたって収入を得ることができる資本(=人的資本)があり、それが将来の金融資本の源になる点をお話しました。
下の図は将来にわたる人的資本と貯蓄あるいは株式、債券、投資信託など金融資本との関係を示したものです。
資産運用では、どの世代においても、この図の考え方が非常に重要になってきます。
若い世代の特徴=将来にわたって稼ぐお金が大きい
働ける期間が長い若い世代の特徴として、人的資本(=将来にわたって稼ぐお金)が大きい点が挙げられます。たとえ資産運用がうまくいかなくても、それを取り返すだけの時間と将来の収入が残されています。さらにこの世代では、スキルアップやキャリアアップ(転職等)のビジョンを描き実行することで、金融資本が増加する可能性があり、将来の不安を取り除くことにつなげられるかもしれません。
60歳前後の人は、損失を取り返せる時間が残り少ない
退職直前である60歳前後の人は、その資本のほとんどが金融資本で占められ、人的資本がわずかしかありません。これは、資産運用による損失を取り返す時間の余裕が若い世代と比較して少ないことを示しています。当コラム「女性の2人に1人が90歳超まで生きる時代に」でご紹介したように、現在65歳の男性が84歳以上まで生きる可能性が50%、同様に女性は89歳以上まで生きる可能性が50%ある現状から考えると、人的資本を大きくするために、70歳まで働くことを選択肢に入れる必要があるかもしれませんね。
次回は、人的資本と投資リスクの関係についてご紹介します。
上記はあくまでイメージ図です。
出所:厚生労働省「平成23年 簡易生命表」
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