商店も商品を分散している?
「投資先を分散しましょう(分散投資)」とはよく耳にする言葉。
分散投資とは“動きが異なるものをうまく組み合わせて投資すること”です。分散する対象には様々なものがあり、商品(株式や債券等)や地域、あるいは通貨(円建てや米ドル建て等)、さらには時間も含まれます。
では、ある商店の例で“商品”を分散する大切さを考えてみましょう。いま、この店はアイスクリームだけ売っています。当然、夏にはアイスクリームがたくさん売れますが、冬になると客足が鈍って売上が減少してしまいます。
そこで、冬の必需品であるカイロあるいはおでんを売るとどうなるでしょう。これらは冬によく売れるはずですから、この商店は夏と冬に異なる商品による売上を期待できて、アイスクリームだけ売っていた時よりも経営が安定するはずです。
資産運用で分散することは商店の場合と似ているかも?
資産運用での“商品(株式や債券*)”の分散も、これと同様です。
一般的には、“株式”と“債券”は反対の値動きをします。つまり、株式が値上がりするときは、債券は値下がりし、反対に債券が値上がりするときは、株式は値下がりする傾向があります**。また債券は元本が毀損する可能性が低く、定期的に利子を受け取れることから、株式と比較すると価格変動幅(=リスク)が小さいことが特徴です。(参照:「金融商品の特徴-働き方が違います」)
万が一に大きな価格変動が起きたとき、分散していなかったことによって、リスク(=価格の変動幅)が高まり、大きな損失となってしまう場合もあります。つまり、資産運用においては、株式と債券のような異なる動きをするものを組み合わせておくことが大切といえます。また商品のほかにも地域や通貨、時間などの分散も合わせて考えておくことがポイントです。毎月コツコツと続ける積立投資は、このうちの“時間”を分散することを意識した投資といえるでしょう。
長期で継続する「自分年金」作りにおいても、動きが異なるものをうまく組み合わせて、分散することをしっかりと考えておきましょう。
上記は株式、債券の主な特徴をもとに簡略化して説明したものです。実際には記載のようにならない場合があります。
*元本が一定で利払いのある利付債の事例です。
**一般的に景気が良くなる場面では、物価上昇や企業の設備投資の増加等による資金需要のひっ迫により金利が上昇し、同時に企業業績の好転期待に伴い株価も上昇します。この状況下では、新しく発行される金利が高い債券の魅力度がより高まることから、新規発行される債券よりも金利が低い既発行の債券価格は下落します。一方で、景気が悪くなる場面では、これとは反対の現象が起きます。ただし、あくまで一般的な特徴を説明しているため、実際には記載のようにならない場合があります。
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