資産形成のキホンは、“自分自身”が資本であること
私たちが貯蓄として実際に預けたり保有している預貯金や投資信託、株式、債券などは、少し堅い言葉で「金融資本」と言われます。
例えば、会社員Aさんが毎年25万円を2年間貯めて、現在、預貯金で40万円、投資信託で10万円分を保有しているとすると、Aさんの金融資本は50万円となります。では、Aさんが持っている資本はこれで全てなのでしょうか?
確かに、既に蓄えていて目に見えているものという点では、この50万円がAさんの資本の全てです。でも、実はAさんには、Aさん自身つまり今後40年ぐらいにわたって収入を得ることができるという素晴らしい資本を持っているわけです。これを一般的に「人的資本」と呼びます。人的資本は、いわば将来の金融資本の源です。
これも含めて考えれば、Aさんの資本は50万円どころではありません。例えばAさんが今後も毎年25万円ずつ貯蓄できるとして、60歳まであと38年間働くとすると、合計950万円(25万円×38年)の人的資本があることになります。現在の金融資本50万円を加えると合計1000万円もの資本です。実際にはスキルアップやキャリアアップ(転職等)あるいは年齢とともに年収が増え、貯蓄できるお金も増えていくでしょうから、もっと大きな資本を持っていると言えるでしょう。
将来にわたって稼ぐお金(人的資本)も考えよう
もちろん人的資本は今の時点ではまだ形にはなっていないわけですが、「自分年金」のように何十年もかけて準備する場合には、今既に持っている金融資本だけでなく、将来につながる人的資本も考慮することが大切です。
次回以降で「自分年金」作りに人的資本を上手に活かす方法をお話しします。
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