慌てなくていいってどういうこと?
投資信託を利用した積立投資(投信積立)の良い点を一言でまとめると「投資信託の価格(基準価額)が下がっても、慌てなくていい」こと。でも、いったいどうしてでしょう?
投信積立=スーパーの特売日と似ている?
投信積立とは、毎月一定金額分の投資信託を購入していく方法です。投資信託の価格(基準価額)は変動しますので、これに伴って、購入できる口数も変動します。
いつもと同じ金額(例えば1,000円)でも、スーパーの特売日だと食材をより多く買える(この場合、買える数量が増える)、そんなイメージです。投信積立の言葉はよく聞くけど、でも始めるには不安のほうが大きい。きっとこれを読んでいる人の多くは、「投資信託を購入したあとに価格が下がること」が不安ではないでしょうか。
下の図は、架空の投資信託の価格(基準価額)の動きを示したものです。当初10,000円でスタート、毎月、価格が下落し、9か月目に2,000円に。その後、12か月目に5,000円に価格が戻りました。当初からは50%下落したことになります。
この投資信託で、Aさんが毎月10,000円分の積立投資を12か月間行いました。では12か月後に投資信託の価値は積み立てた合計額12万円を下回っているのでしょうか。
上記は架空の投資信託の価格推移をもとにアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成したシミュレーションです。特定の投資信託の将来のリスクやリターンの水準を示唆・保証するものではありません。
いえ、実は上回っています(答え:約13.5万円)。
「え、どうして?」
という声が聴こえてきそうです。
理由は“5倍の口数”!?
Aさんは、12回に分けて10,000円分で購入できる口数の投資信託を積み立てたので、最も低い2,000円のときは、当初の投資信託の価格(基準価額)が10,000円のときと比べて、5倍の口数を購入できました。
これによって、平均購入単価が下がり、価格が半分になっても、Aさんが保有する投資信託の価値は、積み立てた合計額を下回らなかったわけです。
もしもAさんが一括で12万円を1か月目に投資していた場合には、価値が半分になっていたわけですから、大きな差となりました。
360か月も先なのだから、“ゆっくり”と“着実”に
これなら、投信積立を行っている途中で価格が下がっても慌てずにすみそうです。もちろん、価格の動きには無数にパターンがあるため、この例だけで投信積立が必ず安心と言えるわけではありません。
例えば、価格が2,000円だった9か月目のときには、投資信託の価値は合計の積立額を下回ります。
ただ、ここで言えるのは、投信積立では換金する時点の“口数”と“投資信託の価格(基準価額)”が最も重要であり、30年後の老後生活費(「自分年金」)の準備が目的であれば、それは360か月も先です。やはり投信積立は“ゆっくり”と“着実”に行うことが大切ですね。
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