「老後の生活費(老後資金)」と「将来の年金額」はどれくらい?
この差の大きさによって、将来に向けて準備しておかなくてはいけないお金の額が変わってきます。
前回は日本人女性の2人に1人が平均90歳超まで生きる時代が来ることをお話ししました。
これに基づき、退職後の人生が30年と仮定して、当サイトの主人公である3人の30歳女性(専業主婦、共働き、シングル)について老後の生活費(老後資金)に関するシミュレーションをしたいと思います。
ぴったり該当することは少ないかもしれませんが、ご自分に近い状況を考えながら見てくださいね。
1人目のケースは、専業主婦の久美子の場合です。
*生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」に基づき、アライアンス・バーンスタイン株式会社が設定
**厚生労働省、平成26年度の厚生年金額(妻が専業主婦、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金月額)
老後の生活における「支出と収入」に関するアンケート調査によると、老後に豊かな生活を送るには月35万円くらい必要という結果が出ています。
一方で、収入は夫が会社員、妻が専業主婦の場合、給付される公的年金の金額はだいたい月23万円で、ゆとりある老後を送るには毎月12万円足りません。
したがって、公的年金以外に30年分で4,320万円(12万円×12ヶ月×30年)が必要になります。
2人目、夫婦共働きの香織の場合です。
*生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」に基づき、アライアンス・バーンスタイン株式会社が設定
**厚生労働省 『平成22年賃金構造基本統計調査』の年収に基づきアライアンス・バーンスタインが算出。妻は非正規社員と仮定
※22歳から65歳まで43年間、働いた場合。
香織の家庭は夫がサラリーマンで、彼女が非正規社員として働いています。
支出は久美子の家庭と同じく、月35万円くらい必要です。収入は、二人とも定年まで働くとして、妻の給付される公的年金の金額の分大きくなり、合わせて28万円くらいになります。
毎月の不足額は7万円となり、30年分で2,520万円(7万円×12ヶ月×30年)が公的年金以外で必要になります。
3人目、シングルの理恵の場合です。
*生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」に基づき、夫婦二人が豊かな生活に必要な資金(月35.4万円)の7割としてアライアンス・バーンスタイン株式会社が算出
**厚生労働省 『平成22年賃金構造基本統計調査』の年収に基づきアライアンス・バーンスタインが算出。
※22歳から65歳まで43年間、働いた場合。
支出は、シングルの場合、生活費は二人で生活した場合の7割くらいと見て月約25万円と考えます。
一方、収入は女性が定年まで正社員として働き続けた場合、給付される公的年金の金額は月14万円くらいになります。
毎月11万円が不足することになり、30年分で3,960万円(11万円×12ヶ月×30年)が公的年金以外で必要になります。
会社で長年働くと退職一時金が出る場合もありますよね。
その場合は、上記の金額から退職一時金の見込み額を差し引いた額が、自分自身で準備するお金になります。
気が付いたときが「自分年金」作りを始めるベスト・タイミング!
このように、ライフスタイルによって老後の生活のために準備が必要な金額は様々です。
特に女性はキャリア、結婚、出産といった選択によって変わります。
まだ早すぎる?もう遅いかも?老後の生活費(老後資金、自分年金)の準備は気が付いたときがベスト・タイミングかもしれません。
ひとり一人に合った「自分年金」作りを始めてみましょう。
上記はあくまで簡易的な計算方法に基づく試算であり、皆様の実際の年金支給額を示唆・保証するものではありません。
ご自身のより精緻な「年金支給額」については、日本年金機構ホームページや年金事務所にてご確認ください。
また年金制度は今後変更される場合があります。
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