時間の分散をしながら「自分年金」作り
現在35歳の人が65歳でリタイアするなら、老後の生活費(老後資金)のための「自分年金」作りに使える時間は30年もあります。
そのポイントはズバリ、“時間の分散”ができること。
“時間の分散”、2つのメリットとは?
ふだん聞きなれない“時間の分散”。これには2つのメリットがあります。
ひとつは「投信積立は何がいいの?-下がっても慌てなくていい!?」で紹介した毎月の積立投資(投信積立)による時間の分散。複数回に投資タイミングを分けることにより、平均購入単価を下げることが期待できます。
もうひとつは長期で運用することによる時間の分散。運用期間全体の平均でみたときに1年あたりの運用利回りの変動幅を小さくすることが期待できます。
短期と長期で運用利回りの変動幅がどう変わる?
下の図は世界株式の過去の実績に基づいて、ある一定期間(1年間や30年間)を運用したら、どのくらいの運用利回り(年率)になったかを試算しています。
例えば1年間運用した場合、最大の運用利回り(年率)は49%となり、資産が約1.5倍に増えた一方で、最小の運用利回り(年率)は約-28%、つまり資産が2/3に減ってしまう期間もありました。このように1年間の短期運用の場合、最大と最小の運用利回りの差が大きい、つまり変動幅が大きいことがわかります。
では「自分年金」作りのように、もっと長い期間で運用した場合はどうなるでしょう?
運用期間の長さに注目。“時間の分散”による効果がハッキリ!
運用期間が長くなるほど運用利回り(年率)の最大と最小の差が縮小し、変動幅が小さくなっていきます。注目したい点は20年と30年の運用期間の場合、最小の運用利回り(年率)がいずれもプラスだったこと。最小の運用利回り(年率)が3.9%以上という結果に。
過去の実績に基づくシミュレーションは将来の成果を示唆・保証するものではありません。
1977年1月から2014年8月まで。世界株式はMSCI ワールド・インデックス(円ベース、トータル・リターン)、世界債券は1977年1月から1990年1月まではバークレイズ・米国総合インデックス(円ベース)、それ以降はバークレイズ・グローバル総合インデックス(円ベース)。上記は世界株式と世界債券を3:7の割合で合成したインデックスの推移を示しています。投資家は直接インデックスに投資することはできません。インデックスには、有価証券や投資信託への投資に伴うトータル・リターンの低下要因となる売買手数料や運営にかかる費用は含まれていません。
出所:バークレイズ、イボットソン・アソシエイツ・ジャパン、MSCI
これらはいずれも過去の実績による試算であるため、将来も同じような結果になるとは言えないものの、老後の生活費(老後資金)のための「自分年金」は、長い時間をかけてゆっくりと作るもの。だからこそ、このような“時間の分散”による効果を期待してしっかりと続けていくことが大切ですね。
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