お金が減るのは、悲しい
資産運用をしていて、急な相場変動などで資産の評価額が目減りしてしまうことってよくありますよね。投資したお金が減ってしまうと、とても悲しくなりませんか? その時に焦って、投資した資産を売却したら、その後、相場が回復し「売却しなければよかった・・・」という状況、ありますよね。
実は、この一連の行動、私たちの持つ「行動バイアス」によるものなのです。
『行動バイアス』ってなに?なんだか難しく聞こえるけど・・・
投資や資産運用の世界で、投資家である私たちの意思決定に影響を与え、合理的な判断・行動を妨げてしまうのが、「行動バイアス」といわれています。先ほどの例のように、この性質を知らずに、資産運用をしていると、適切な投資行動が取れなくなってしまいます。
逆を言えば、どんな性質なのかを把握していれば、適切な投資行動をとる助けになります。
喜びより苦痛のほうが大きく感じてしまう?
私たちは損失を被るのが嫌いです。喜びよりも苦痛のほうを大きく感じる傾向があるといわれています。これも「行動バイアス」のひとつの傾向で、人間はある金額の利益から感じる喜びと、利益と同じ金額の損失から感じる苦痛を比べると、損失からくる苦痛のほうを2.25倍大きく感じるということが明らかなっています。この損失を被るのが嫌い、という性質のため、資産が目減りしてしまうとつい焦って、これ以上の損失を出さないためにすべて売却してしまうなどの行動にでてしまうのです。
上記はあくまでイメージ図です。
出所:「ダニエル・カーネマン/エイモス・トベルスキー共著 ”Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk”(1979)をもとにアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成
大切なのは、細かいことに惑わされず、長期で運用すること
投資に影響を与える「行動バイアス」は、ほかにもあります。そのひとつに、私たちには、つい短期間で評価してしまうという傾向があります。長期投資を目的しているのに、日々投資の収益を評価してしまうのです。
株価などは日々大きく変動しますので、突然マイナスになることも多いです。そこに、「行動バイアス」が相まって、マイナスが出たらすぐに投資をやめてしまったり、株式のように高いリターンが期待できるリスク資産への投資を躊躇してしまうのです。ですが、長期投資を目的としているのであれば、日々の細かい相場の上下に気を取られる必要はないのです。
大切なのは、惑わされず、長期で資産運用を続けること、です。
投資が長続きしない、損失が生じたところで怖くなって止めてしまう、という経験のある方は、まずは、この「行動バイアス」というものがある、ということを認識するようにしてみてください。
次回は、行動バイアスを回避する方法について、お伝えしていきます!
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