激動の2016年、でも実は・・・?
昨年2016年は、イギリスのEU離脱やアメリカの大統領選挙など、イベントが盛りだくさんな年でした。年を通して、株価の変化が世界的に激しい1年でしたね。激動だった2016年ですが、2016年1月から12月までどの月から投資を始めても、実は、投資をした人はプラスになっていたようです。
たとえば、海外株式の場合、12月に始めた人のリターンが最も小さく、それでも5.0%でした。どの月ではじめてもプラスになっていたことを考えると、投資を始められなかった場合、投資機会を逃してしまったということになります。今回はそんな命運の分かれた1年を例にとって積立投資について考えてみたいと思います。
変化を見ているとなかなか始められないもの
投資を始めようとしている場合、ついつい株式市場の動向が気になってしまいがちです。しかし、このように市場が大きく動く様子を見てしまうと、「怖さ」が生まれてしまうのも事実。特に、2016年のようなジェットコースター的な相場においては、その傾向が強まってしまいます。だからこそ、「積立投資」のような自分の意思関係なく、自動で投資をしていく方法が有効になってきます。
積立投資は、市場の変化を味方にできる!
積立投資は毎月定額で自動的に金融商品(このコラムでは投資信託ですね。)を買い付ける方法です。この積立投資を2016年初から始めていたらどうなっていたでしょうか?下のグラフからわかるように、しっかりと株式市場の上昇についていくことができています。海外株式で、1月から毎月1万円を月初めに積立てたら、12月末には13.7万円となり、14.1%も資産が増えました。1月初めに一括投資をしていたら、年間の海外株式のリターンは、5.4%だったので、積立投資は一括投資を大幅に上回るリターンを獲得したことになります。これはなぜでしょうか?
※過去の分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。計算期間:2016年1月1日-2016年12月31日。月次ベース、日本円ベース。海外株式は、MSCI コクサイ・インデックス(トータルリターン)
出所:イボットソン・アソシエイツ、AB
積立投資の仕組みを考えてみよう
積立投資は、毎月定額で買付けていくので、投資信託の値段(基準価額)が安い時には多くの口数を購入でき、逆に高い時には少しの口数しか購入しません。これは、安い時にたくさん仕入れる、という買い物の基本と同じ、ですよね。
これを踏まえて、2016年の株式相場を見てみましょう。海外株式は、6月まではマイナスのリターンが続いていたので、もし年初に投資を始めていたら6月までは元本割れの状態が続いていました。でも、この時期に積立投資をしていれば、基準価額が安くなっていたので、多くの口数を買付けるいい時期だったのです。結果的に年末に向けて基準価額が回復し、年初の値を上回ったので、積立投資は株式市場の上昇と安く買った効果が合わさって、非常に大きなリターンとなりました。このように積立投資は変動性の高い環境であっても一括投資に比べて、しっかりとリターンを獲得できたのです。
不透明な時代だからこそ、積立投資で投資を始めてみよう
自分の意思に関係なく自動的に毎月投資をする積立投資。積立投資ならば、投資を開始するタイミングを考えなくても良いですね。また、市場が大きく動き急落してしまう時は、通常はうろたえてしまうものですが、むしろ「たくさん買えるチャンス」という発想の転換ができるようになります。だからこそ、途中でやめることなく、長期間続けることができるんですね。
不透明な時代だからこそ、積立投資で投資をはじめてみませんか?
- 当コラムは読者の皆様への情報提供を目的としてアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成しています。
- 当コラムは信用できると判断される情報をもとに作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
- 当コラムに掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。
- 当コラムの内容は予告なしに変更することがあります。