「ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには、練習がひつようです。ぼくは、三才のころから練習を始めています。三年生の時から今までは、三百六十五日中、三百六十日は、激しい練習をやっています。そんなに練習しているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います」
小学校の卒業記念に「未来の自分」への手紙をタイムカプセルに入れて校庭に埋めた人も多いと思います。皆さんはあの頃思い描いた「なりたい自分」になれたでしょうか、それともまだ「夢の途中」でしょうか、あるいは「なりたかった自分」とはまったく違う職業に就いているでしょうか。
子供の頃の夢は別として、大人になっても前向きに生きていくには、やはり将来の自分をイメージし、それに近づくため逆算して小さな努力を積み重ねる必要があります。例えば、あなたが今35歳なら退職年齢の65歳まで30年あり、しっかり目標を定めて必死に取り組めば、起業して一国一城の主として成功したり、趣味を玄人はだしの域まで高めたりすることは十分可能だと思います。
また、あなたが高齢者の仲間入りをする30年後には65歳以上の人口が全体に占める割合が40%近い超高齢化社会が予想されます。女性の場合は平均寿命が90歳に迫り、退職後も四半世紀の余生がある時代になっているでしょう。そうした長い老後に備えるには、「時間を味方につける」長期投資の強みを活かすためにも、「自分年金」作りをなるべく早く始めるに越したことはありません。老後への資金的な準備に着手する一方で、それをきっかけに「未来の自分」を意識してポジティブな一歩を踏み出していただきたいと思います。
ちなみに、最初の作文は、あのイチロー選手が小学校6年の時に書いたものです。彼は、2004年に262本のヒットを打って大リーグの最多安打記録を破った時に、「小さいことを重ねることがこうしたことに到達するただひとつの道」と述べています。2013年8月21日、イチロー選手は日米通算4000安打を達成し、インタビューで「4000のヒットを打つには、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」と答えています。
【当コラム筆者:カフェバーのマスターとは?】
もともとは金融機関勤務、今はカフェバーのマスターをしています。
私のお店にはお金の悩みを持つ、いろいろなお客様がいらっしゃいます。
いつもお店でお客様にアドバイスしていることを皆さんにも直接、お伝えしたくて、このコラムを始めました。
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