日本は「祖国への誇り」を感じる人の割合が世界最低レベルであるとお話ししましたが、サッカーのワールドカップやオリンピックの時、胸の「日の丸」に手を当て国歌斉唱する選手たちを見ると、私たちは日本人であることを改めて意識し、選手の一挙手一投足に一喜一憂します。第6回の「若者と人的資本」でご紹介した「絶望の国の幸福な若者たち」の著者、古市憲寿氏の言葉を借りると、「日本という国家はワールドカップの、それも試合中にだけ期間限定で出現するもの」のようです。
残念ながら、オリンピックやワールドカップのような数年に一度の「非日常」のイベントが終わると、「平凡な日常」が戻り、せっかく目覚めた誇りはまた埃をかぶってしまいます。最近はテレビにもよく出演する明治天皇の玄孫、竹田恒泰氏は「国民が国を愛さなくなったら、国は亡ぶ」と危惧し、その著書「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」で、国を愛することの大切さを説いています。「愛国」というと海外で物議を醸したり、国内では右翼と曲解されたりしがちですが、自分の生まれた国を愛するのは当たり前のことで、私たちは祖国への誇りを胸に前向きに生きていくべきだと思います。
竹田氏は同書で日本のすごさをいろいろ紹介しており、「日本は一つの王朝が途切れず今も続く世界最古の国であり、2000年以上国家を営んできたことは世界史の奇跡」と述べています。ちなみに、日本に次ぐ第2位はバイキングの子孫であるデンマーク王室の1000年強で、それでも日本の半分程度です。
竹田氏はイラクのバグダッドを訪れた時、地元の大学生に「I love Japan」と言われ、日本が海外でとても愛されていることに驚き、その理由を聞いてさらに驚きました。その学生は、多くのアジア・アラブ諸国が列強の植民地となる中、日本だけは独自の力で近代化を達成したことを強調しました。特に、明治時代末期の日露戦争(1904-05年)で小国日本が巨大なロシア帝国と戦い、当時世界最強と言われたバルチック艦隊を撃破したことはアジア・アラブ諸国に希望を与えた快挙として今でも語り継がれているそうです。
【当コラム筆者:カフェバーのマスターとは?】
もともとは金融機関勤務、今はカフェバーのマスターをしています。
私のお店にはお金の悩みを持つ、いろいろなお客様がいらっしゃいます。
いつもお店でお客様にアドバイスしていることを皆さんにも直接、お伝えしたくて、このコラムを始めました。
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