2014年1月に始まる少額投資非課税制度(NISA)の口座開設予約が200万件を超えたと先日報じられ、「貯蓄から投資へ」の流れがようやく加速する気配がうかがわれます。NISA口座を開設するのは、以前から投資をしている人が多そうですが、投資はこれが初めてという人も少なくないと思います。
そこで、このコラムではこれからしばらく、主にNISAで投資家デビューを飾る人のために投資の基本的な話をします。世界を震撼させたリーマン・ショックから5年が経ち、最近は内外の株式市場も好調に推移していますが、あの時の恐怖がいまだに尾を引いて投資に二の足を踏む人も結構いると思います。投資には資産を増やせるチャンスがあると同時に、資産を減らすリスクもあるので、うまく運用するにはそれなりの知識と経験が必要とされます。
NISA口座の開設を申し込んだものの、制度の運用が開始されるあと3ヶ月で必要な知識を身につける自信がない人もいると思います。しかし、知識や経験が豊富なプロでさえ損をすることがあるのですから、勉強すれば必ず成功するわけではありません。知識が多いに越したことはありませんが、企業の財務諸表や世界経済、金利動向に関するレポートが難しくても、目標さえしっかり定めれば、投資はできると考えられます。
このコラムをご覧の人は「自分年金」に関心があると思いますが、NISAは長年ためらってきた投資を始める良いきっかけですので、ぜひこの機会に「最初の一歩」を踏み出してはいかがでしょうか。第4回の「『時間を味方につける』長期投資の強み」でお話ししたように、長期投資で一番大切なのは、市場の動きに一喜一憂せずに数十年先のゴールを目指してとにかく「続ける」ことです。
長期投資の強みは、「複利効果」と「時間分散効果」の二つです。複利効果とは、運用で増えたリターンを再投資「利子が利子を生む」効果で、時間が長いほど威力を増します。時間分散効果とは、長期投資の場合はその間のリターン変動のプラスとマイナスが相殺され、スタート時期に関係なく相応のリターンを得られることです。次回からは投資の基礎的な知識を交えながら、NISAで使える実践的なアイデアもご紹介します。
【当コラム筆者:カフェバーのマスターとは?】
もともとは金融機関勤務、今はカフェバーのマスターをしています。
私のお店にはお金の悩みを持つ、いろいろなお客様がいらっしゃいます。
いつもお店でお客様にアドバイスしていることを皆さんにも直接、お伝えしたくて、このコラムを始めました。
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