人間はそもそも投資に向いていないと言われ、合理的な選択を阻む人間の「行動バイアス」を回避するため、自分の意思決定をあえて排除する方法の一つとして、前回はリバランスなど「ルールの活用」をご紹介しました。今回はもう一つの方法として「専門家の活用」についてお話しします。
株式や債券などの資産にはそれぞれ特徴的な性質があり、個々の銘柄においても多様な条件の違いがあります。さらに、経済や市場の動向によって有利な業界や不利な業界もあり、これらを熟知して適切な投資判断を下すことは大変な作業です。
そこで、初心者には専門家が運用する投資信託(ファンド)を購入することが現実的な選択肢となりますが、ファンドを使って「自分年金」を作る場合は、以下の三点が大切であると言われます。
① 長期的な視点から適切なリスクを取った分散投資を行う(長期分散投資)
② 当初計画した資産配分を維持する(リバランス)
③ 年齢に応じて保守的な資産配分に変更する
具体的には、まず、老後資金を貯めるという長期目標に沿って攻めと守りのバランスを考えながら、国内外の株式、債券、不動産などの資産に投資するファンドを組み合わせてポートフォリオを作ります(①)。投資を始めた後も、各資産のファンドで構成されるポートフォリオをリバランスにより定期的にメンテナンスする必要があります(②)。しかし、これらはかなり骨の折れる作業です。
このため、あらかじめ決められた比率や方法に従って自動的に資産のバランスを整えてくれる、つまり①と②をやってくれるファンドが初心者には適していると言われます。ただ、一般的なバランス型ファンド*の場合、年齢に適した資産配分(③)までは考慮されていないため、歳を重ねるにつれて自分の年齢にふさわしい資産配分のファンドへ定期的に乗り換える必要があります。次回は、①②③のすべてをプロに任せられる「ターゲット・イヤー型ファンド」をご紹介します。
*バランス型ファンドとは、ここでは一つの投資信託で株式や債券など複数の種類の資産に分散投資をするファンドのことをいいます。
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