「幸せな未来をプロデュース」(第1回)では、「自分年金」作りを老後への金銭的準備にとどまらず、20年後、30年後、40年後の自分を幸せにするための「希望の扉」と述べました。また、「どうせならポジティブに」(第2回)では、幸せな未来をプロデュースするには、自分の意志で気持ちをポジティブに切り替える必要があると述べました。そして、それを融合したものが私の描く「ポジティブ自分年金」のコンセプトです。
約40年後の日本は65歳以上の高齢者の割合が5人に2人という超高齢化社会の到来が予想されています。日本の公的年金は現役世代から集めた保険料を受給者にその年の年金として給付する賦課方式、つまり「社会的仕送り」の仕組みです。受給者1人を現役世代9人が支えた50年前の「胴上げ」型社会から近年は3人で1人を支える「騎馬戦」型へと変わり、40年後は1人を1.2人が支える「肩車」型となり、現役世代がいずれ支え切れなくなりそうです。
「ポジティブ自分年金」とは、そうしたネガティブな未来と正面から向き合い、「悲観的に準備し、楽観的に行動する」ことです。つまり、「自分年金」作りによって経済的な準備をする一方で、それをきっかけに仕事や趣味など様々なことに前向きに取り組み、人生を楽しもうという発想です。
「自分年金」作りを始めても老後の不安がすぐに解消されるわけではありませんが、将来に必要な措置を講じることで精神的な余裕が生まれ、次の前向きな行動につながるポジティブ・スパイラル(正の連鎖)の引き金となり得ます。「自分年金」作りで「最初の一歩」を踏み出した後は、20年後、30年後、40年後のなりたい自分をイメージし、必要な行動をいろいろ逆算して行う癖をつければ、将来的に多くの不安が解消されると思います。実際、そうした逆算思考を実践して成功した企業経営者も少なくありません。
【当コラム筆者:カフェバーのマスターとは?】
もともとは金融機関勤務、今はカフェバーのマスターをしています。
私のお店にはお金の悩みを持つ、いろいろなお客様がいらっしゃいます。
いつもお店でお客様にアドバイスしていることを皆さんにも直接、お伝えしたくて、このコラムを始めました。
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